雪解カンガルー

この芝居で使う赤い花のコサージュ。
その試作品を作ってきたちさと。自分の服の色と一緒なことに気づき、ひとりでちょっとポーズを決めてみる。


そこへ里美がやってきた。
「ひとりで何やってんの？」
「いや…恥。服の色が一緒でちょっと楽しくなっちゃって」

コサージュはたくさん作らなくてはいけない。
ちさとが里美に作り方を教える。不安そうな里美。


でもひとつ１分程度で完成する簡単な作り方だ。里美も安心したようで、笑顔に。

そしてリサも稽古にやってきた。
初めて台本を手にするリサ。さっそく３人で本読みを開始。


「で、これ、９ページまでしかないけど、このあとの台本は？」と里美。
ギクっとするちさと。
「このあとの台本はどこにあるの？」
どこ…と言われても。パソコンの中にも頭の中にもありません。


「リサも言ってやってよ。プレッシャーかけてやってよ」とけしかける里美に、
「え、私も？」とリサがたじろぐ。

最近里美が、上がってこない脚本に不安を覚え、ちょっと鬼になっている。
里美を不安にさせてしまっている。
「書いてない」「進まない」と言って、いったいどのくらいが経つだろうか。
ああ…すみません…。


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